たぬきの置物「縁起物」
2022年08月12日
商売繁盛 八相縁起
よく店の玄関に鎮座している信楽焼のタヌキの置物。
「信楽焼といえばタヌキ」というくらい今ではメジャーな存在になりましたが、中世に始まり、日本の六古窯の一つと言われた信楽焼の長い歴史の中にタヌキが登場したのは案外最近のことなのです。明治時代に作られ始めた置物が昭和の時代になって脚光を浴びた、比較的新しい名物です。
タヌキ=「他抜き」、つまり、他に抜きんでる、という意味があり、商売繁盛の縁起物とされています。
その他にも、「信楽狸の八相縁起」あるいは「八相緑喜」といって、タヌキの体の部位やアイテムが縁起のよい物事を表しています。
まん丸で大きな目は「正しく見る」、愛嬌のある顔は「愛想のよさ」、大きなお腹は「大胆な決断」、尻尾は「終わりをしっかりと」、そして金袋は「金運」。アイテムも同様に、傘は「悪事災難除け」、徳利は「人徳」、通い帳は「信用第一」を示しています。商売上重要なことが勢ぞろいしていますね。
これは信楽町観光協会のページでも紹介されています。
そのような理由から、縁起のよい信楽焼のタヌキを入口に置くのです。
なにはともあれ、まあるい目でちょこっと首をかしげた愛嬌のある顔を見ると、思わず暖簾をくぐりたくなってしまうという人もいるくらいですから、それなりに効果はあるのでしょう。